心房細動(しんぼうさいどう)の患者数の病院ランキングです。2016年の実績ベース。福岡県内の病院が対象です。厚生労働省(厚労省)のデータに基づいています。1位は小倉記念病院、2位は産業医科大学病院、3位は浜の町病院となっています。心房細動や不整脈専門の医師やクリニックを探しましょう。医療法人社団高邦会 福岡山王病院(福岡市)などが有名です。(医療・介護情報メディア「リトリート」編集部 大畑亮介)。

患者数のランキング【福岡】~2016年実績

順位 病院名 心房細動の患者数
1位 小倉記念病院 1278
2位 産業医科大学病院 408
3位 浜の町病院 340
4位 九州大学病院 285
5位 福岡徳洲会病院 250
6位 宗像水光会総合病院 160
聖マリア病院
7位 福岡大学病院 97
8位 福岡和白病院 80
9位 JCHO九州病院 77
10位 北九州市立医療センター 23

心房細動とは

心房細動は、心臓上部がけいれんを起こして収縮できなくなる状態を指し、血液がよどんで塊(血栓)が生じやすくなる。

特に、心機能が弱まっていたり、高血圧や糖尿病の持病があったりする場合は、血栓を作りやすいという。

カテーテル・アブレーション

血管から入れた細い管を心臓まで通し、不整脈の原因となっている部位を焼く「カテーテル・アブレーション」は、根治を目指す治療法だ。心不全や脳梗塞(こうそく)の危険性が高まる心房細動が主な対象だが、慢性化すると効きにくくなるため、早めの治療が望ましい。脈の乱れや動悸(どうき)などで気付くことがあるものの、症状がないことも多いのが難点だ。

心室細動や危険なタイプの心室頻拍は、致死性不整脈と呼ばれる。心室がけいれんするように震え、心臓のポンプ機能が働かなくなる。自動体外式除細動器(AED)などによる救命措置を行わないと、わずかな時間で心停止して死に至ることもある危険な症状だ。

直接経口抗凝固薬

心房細動などの不整脈の影響で血栓ができやすくなると、血液をさらさらにするための抗凝固薬が処方される。古くからあるワルファリン(商品名ワーファリンなど)は、効き方の個人差が大きく調整が難しかったが、使いづらさを改善した直接経口抗凝固薬が登場し、広く使われるようになってきた。

凍結させる方法も

カテーテルアブレーションでは、原因となる部分を焼くのではなく、凍らせて壊死(えし)させる新しい治療法も出てきた。 従来の方法は、足の付け根などからカテーテルを入れて心臓内部の原因部位を高周波の電流で少しずつ焼くのに対し、患部周辺で風船状の「バルーンカテーテル」を膨らませて冷却剤を注入し氷点下40度で凍結させる。患部を広く死滅させることができるほか、従来の方法では3、4時間かかっていた手術時間を半分ほどに短縮でき、患者への負担も軽減されるという。

<引用文献>
「病院の実力 総合編 2019」